茅葺き(かやぶき)屋根という屋根をご存知でしょうか。
日本昔話にでてくるような屋根という表現をすると、想像しやすいのではないでしょうか。
茅葺き屋根というのは、伝統的な日本の屋根の一つです。
茅(ちがや)と呼ばれる稲わらを使用して作られる屋根のことで、自然素材を使用しているため
環境にやさしく、日本古来の風景に調和する屋根です。
また通気性があるのも特徴の一つで、耐久性にも優れています。
このような茅葺き屋根について、今回は詳しく解説していきましょう。
最新記事はこちら
天井のシミは雨漏りだけじゃない?ほかの原因や対処法をお教えします!
屋根工事に欠かせない足場の費用はどれくらい?できるだけ安くする方法とは…
茅葺き屋根の特徴
茅葺き屋根は、稲わらという自然素材を使用して作られています。
この自然素材は地域の風土に合わせて選んでいて、環境にやさしい建材です。
茅葺き屋根は独特の風合いだったり、見た目の美しさで海外からも人気があります。
その美しい外観は伝統的な日本の風景を物語っており、風情を添えてくれます。
まさに日本の伝統と文化の象徴といえるでしょう。
日本の伝統的な建築文化の一つであり、歴史や文化を感じさせる重要な要素です。
そして茅葺き屋根は通気性が高く、湿気を逃がし建物の内部を保護することができます。
適切なメンテナンスが行われて、手入れが行き届いていれば耐久性も期待ができます。
一見特殊な屋根に思われがちですが、メリットも多いのです。
茅葺屋根き屋根のメリット
茅葺き屋根は天然素材である稲わらを使用していることから、環境にやさしくて
再生可能な資源を利用することで、持続可能な建築を実現しています。
あと良好な通気性があることも、大きなメリットの一つです。
通気性が高いため、建築の内部の湿気を自然と排出して暮らしを快適にしてくれます。
このような理由から建物の耐久性は高まり、茅葺き屋根で生活するための環境が向上します。
茅葺き屋根は音を吸収する特性もあって、建物内部からの騒音の侵入を軽減してくれます。
見た目からは意外かもしれませんが、防音効果があるのです。
そして、茅葺き屋根は日本の伝統的な建築様式の一部です。
茅葺き屋根を採用することで、伝統や文化を継承して地域社会との結びつきを深めることができるのです。
茅葺き屋根のデメリット
茅葺き屋根は自然素材の稲わらを使用しているため、風雨や虫の影響を受けやすいことが最大のデメリットです。
定期的に補修や交換が、とても必要になってきます。
どの屋根にも言えることですが、特にメンテナンスの必要があるのです。
職人によって適切な手入れが行われない場合、稲わらは劣化しやすく屋根の保護機能が低下してしまうため
茅葺き屋根は他の屋根材に比べると耐久性にまだまだ課題があります。
そして、茅葺き屋根はなんといっても火災のリスクが高いとされています。
稲わらは自然素材なので、とても燃えやすい性質です。
もし火が燃え移ってしまったら、あっという間に全焼してしまうでしょう。
自然が多い地域に建てられる茅葺き屋根は、周囲の建物などの距離に配慮する必要があるのです。
こういったことから茅葺き屋根の使用は、地域によって制約される場合があります。
建築基準や景観保護の規制によって、茅葺き屋根は禁止される地域もあります。
あと見てわかるように構造が複雑なため、専門の職人でないとメンテナンスすることができません。
職人による手作業での施工や、特殊な技術・材料が必要になってくるので施工費用は一般的屋根材に比べると
どうしても高くなってしまうのです。
茅葺き屋根は雨漏りしそう…?!
自然素材で作られた茅葺き屋根は、一見雨漏りしやすいのではないかと思う方も多いのではないでしょうか。
適切な施工とメンテナンスを怠らなければ、通常は雨漏りしません。
定期的な点検と職人によって補修を行えば、屋根の耐久性と防水性を維持することができます。
では、そのほかにも雨漏りしない理由があります。
・茅葺き屋根は、斜面が急で適切な勾配が計算されているので雨水は速やかに下へ流れ落ちていきます。
そのため屋根の表面に水は溜まりにくく、雨漏りのリスクが軽減されるのです。
・茅葺き屋根は、下地・防水層の上から茅(ちがや)を重ねながら作られています。
この構造によって雨水が入ることを防ぎ、建物の屋根内部を守っているのです。
・自然素材の稲わらを使用していることで、一定の通気性を保ちながらも雨水を十分にはじくことができます。
稲わらは独特な繊維構造があり、水の侵入を防ぐ効果があるのです。
まとめ
茅葺き屋根は日本の伝統的な建築様式の一つで、特に農村地域や歴史的な街並みで見かけられます。
自然素材を使用することで、再生可能な資源を活用し地球環境の負荷を軽減することができます。
しかしメリットがあるからといって、茅葺き屋根を新築で作ることは地域によっては禁止されている場合が多いです。
もし新築で茅葺き屋根を作る場合には、地域の規制や技術的な要件に最大限考慮し、適切なプランニングや
専門家のサポートがなければ難しいでしょう。
職人不足を理由に、今後将来は茅葺き屋根を所有することはなくなってしまうかもしれません。
あと茅葺き屋根は日本だけと思いがちですが、海外でも伝統的な民家に用いられています。
海外では伝統的な技術としてではなくて現代建築にも馴染むよう自然な風景として、そして再生利用もできる活用例として
SDGs的な用法で重宝されているので日本も同じように文化を継承できるようになるといいですね。
お問い合わせ:立花工業株式会社☎080-7404-0035
【記事を作成している人】
立花工業株式会社のブログ担当 アライです。
屋根工事やリフォームについて日々勉強しながら、分かりやすい言葉を意識して作成しています。
少しでも参考になればうれしいです!