屋根⌂の勾配 |
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これからマイホームを計画されている方、新しくお家を建てられた方、すでに慣れ親しんだ家にお住まいの方、 | ||||||||||
屋根には様々なデザインがありますが、勾配(傾斜)や材質によって異なるメリットやデメリットがあるのは ご存じでしょうか。 |
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常に雨や風などから守ってくれる屋根は、家を建てた後もメンテナンスがとても重要です。劣化してからでは、 | ||||||||||
雨もりが発生したりいつ来るかわからない自然災害に対応できず、修復に時間がかかってしまいます。 | ||||||||||
是非デザインだけでなく、屋根材の良し悪しも参考に検討してみてくださいね。 | ||||||||||
※屋根の勾配とは… | ||||||||||
屋根の傾き角度の度合いのこと。屋根材の種類や形状または、建てる地域の気候を考慮し決められます。 | ||||||||||
屋根の勾配(傾斜)は主に雨水を効率良く流すのに必要なため、尖っている屋根や平らな屋根は | ||||||||||
それぞれメリット・デメリットがあるので理解しておくことが大切です。 | ||||||||||
●勾配の表し方 | ||||||||||
●屋根材による最低勾配 | ||||||||||
●勾配の特徴(メリット・デメリット) | ||||||||||
●各屋根材について | ||||||||||
●勾配の表し方 |
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日本の屋根では勾配を「寸」という単位を用いて、3つ表し方があります。 | ||||||||||
①尺貫法(シャッカンホウ)勾配(寸法勾配) |
〇寸勾配 |
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日本に昔からある計算方法で、水平距離10寸(約303.03mm)に対し高さが何寸あるかで表します。 | ||||||||||
建築業界や屋根業界では、今でもよく使われている呼び方です。 | ||||||||||
※寸の10分の1が分 1尺=10寸 | ||||||||||
②分数勾配 |
〇/10 |
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上記と基本的には同じ考えですが、約分された数字で表すこともできるのが特徴です。 | ||||||||||
例えば、5/10→1/2と表すことができます。 | ||||||||||
③角度勾配 |
〇℃ |
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一般的に一番分かりやすい表記で、屋根の勾配の角度そのものです。 | ||||||||||
●屋根材による最低勾配 |
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屋根勾配は、屋根材によって必要な勾配(傾斜)が決まっています。 | ||||||||||
・瓦 4寸勾配以上 | ||||||||||
・ストレート 3寸勾配以上 | ||||||||||
・金属 1寸勾配以上 | ||||||||||
上記が各屋根材の最低勾配で、基準以下にすると雨漏りなどのリスクが高まります。 | ||||||||||
見た目だけでなく、使用できる屋根材について理解しておくことや水はけについて | ||||||||||
または、定期的なメンテナスを視野に入れて決めていきます。 | ||||||||||
4寸勾配以上であれば、どの材料でも使うことができるのでリフォームの利便性は | ||||||||||
とても良いといえるでしょう。 | ||||||||||
●勾配の特徴(メリット・デメリット) |
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基本的に屋根の勾配は、雨や雪を逃すためのものですがそれぞれに特性があります。 | ||||||||||
①急勾配屋根[6寸勾配以上の傾斜がある屋根] |
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メリット 雨雪の水はけが良く、汚れが流れやすく耐久性が高まる。 |
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デザイン性が高く、屋根裏が作れる空間があるため断熱効果がある。 | ||||||||||
デメリット 屋根の面積が広いため設置や塗り替え等コストがかかる。 |
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風に当たる面積が広いことで、耐風性の減少。 | ||||||||||
②並勾配屋根[3~5寸勾配以上の傾斜がある屋根] |
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メリット ほとんどの屋根材が使えて、広く普及しているためトラブルが |
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あっても解決しやすい。水はけ・デザイン等コストにおいてバランが良い。 | ||||||||||
デメリット 一般的なため、没個性的である。 |
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③暖勾配屋根[3寸勾配以下の傾斜がある屋根] |
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メリット 台風や風などを受けにくく、屋根の面積が狭くなだらかなため |
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設置や塗り替えなどコストを下げられる。 | ||||||||||
デメリット 水はけが悪く汚れがたまりやすい。屋根裏が狭いことで断熱効果は期待できない。 |
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使用できる屋根材が限られてしまう。 | ||||||||||
●各屋根材について |
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瓦 |
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最も寿命の長い屋根材。ストレートなどのように定期的に塗装を行う必要がない。 | ||||||||||
しかし、歪みや瓦の割れ・欠け、ずれや崩れなどの劣化がないかを定期的に | ||||||||||
点検を行い早めのメンテナンスすることで、自然災害時に備えることが大切。 | ||||||||||
スレート |
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現在最も使用されている屋根材。耐用年数は約20~30年とされ、屋根材の年数ごとに | ||||||||||
適切なメンテナンスを行い屋根の寿命を延ばせる。 | ||||||||||
新築~約7・10年→立地環境にもよるが、早めの劣化も考えられるので塗装でのメンテナンス。 | ||||||||||
約10~15年→棟板金の交換がおすすめ。(経年により劣化するため)基本的には塗装を行う | ||||||||||
タイミングで一緒に行うと、足場代の節約でおすすめ。 | ||||||||||
約20~30年→屋根カバー工法や屋根ふき替え工事の検討。屋根材のひび割れ・浮き・反りが目立つと | ||||||||||
塗装では補えない。また、一緒に屋根材の下に設置されている防水紙や野地板などの下地もメンテナンスを | ||||||||||
行う。 | ||||||||||
金属 |
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屋根材の中でも軽く、近年屋根ふき替えや屋根カバー工法時に金属屋根を使用することが増えてきた。 | ||||||||||
表面は塗装が施され、外壁やストレート材と同じく色あせは塗膜が劣化してきている状態といえるので注意。 | ||||||||||
放っておくと金属にも影響が出てきて、台風など強風時の飛来物により傷つく場合もあり | ||||||||||
雨漏りの原因にもなるため、劣化症状の確認とメンテナンスは重要。 |